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 「CRMで効率数倍!」

「営業新時代を拓くナレッジ・マネジメント」と題し、経営コンサルタントの太田秀一氏によるCRM講座が、15日デジタルスクールNeoで開かれた。

太田氏によるとe-businessには、コスト削減のための「守りの情報化」と売上拡大のための「攻めの情報化」があり、今回の講座内容となったCRM(Customer Relationship Management)は後者に関係する。CRMの核となるのは、マーケティング、セールス、サービスの3部門がどれだけ「相互連携」でき、「個別対応」できているかである。両者のうち太田氏が重視しているのは「相互連携」(integration)だ。これがしっかりしていないと部門間の矛盾やすれ違いを招き、結果として顧客の信用を失い、利益が上がらないということになる。具体的な対応策として、3部門がそれぞれ日誌をHPで公開し、情報の共有化を図るということなどが挙げられた。

またCRMの主要論点として、CR(Customer Results)=「顧客成果」の解説があった。CS(Customer Satisfaction)=「顧客満足」については以前から述べられていたが、CRMはそれだけでなく「顧客成果」にまで視野を広げた、CRM=CS+CR というものを目指している。例えば、ある顧客がパーティードレスを買いそのドレスに満足しているといういことはCSの段階だが、その顧客が実際にそのドレスをパーティーに着て行き、ドレスのおかげで目立ち友人が増えたという「結果」が出ることがCRである。そのためには、ドレスと共にアクセサリーも販売するなどの工夫が必要である。これからの経営はこのCRまで考慮に入れたものにしていかなければならないという。

そしてCRMを実現するには顧客の「選定・獲得・維持・育成」が必要で、これには上記の「個別対応」が有効となり、その手段としてコンピュータを駆使すべきだということだ。コンピュータのソフト選びも重要となる。今まではデータ・分析など「定量」的な情報に頼ってきたが、実際に共有したい情報は「定性」的なものが大半で、それを汲み取ることのできるソフトが必要となる。言うなれば「言語密着型」のソフトであり、単語のみの検索だけでなく、同義語・連想検索、文章による文章検索ができるものが良いそうだ。

このCRMが出現した背景として、日本でもKM(Knowledge management)が盛り上がりを見せているということがある。KMによる大きな経済効果が「数字」で出ていると言われているためであろう。しかしKMは総論的なものであり、成果を生むのは「総論ではなく各論」ということで、その各論となるCRMが注目を集めだしている。CRMはこれからの経営には必然的なものになってくるということだ。

会場には会社帰りといった人が多かったが中には学生も参加しており、時々相づちをうちながら皆熱心に聴き入っていた。休憩時間には太田氏に質問する姿も見られ、CRMに対する関心の高さが窺われた。

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