2003年3月26日 みあこビジネス分科会『みあこネットで遊ぼう!』
「みあこネットの意義」
小笠原 盛浩 氏
〈みあこネットにおけるデザイン〉
ビジネスでもNPO活動でも『ゴール』の明確な設定という『デザイン』がなければ、『ゴール』に到達することはできない。現在のみあこネットは『ゴール』が不明確ではないだろうか。みあこネットのどこに魅力を感じていて、みあこネットで何をやりたいと思っているのかという、関係者全員が共有できる『ゴール』についてのコンセンサス形成が必要である。また、『ゴール』の実現の手段としてのみあこネットの適合性、みあこネットを今後継続する場合、運用に必要なリソース(人、もの、金)の確保についても具体的に検討する必要がある。
〈みあこネットのおもしろさ〉
みあこネットの特徴は草の根パワーによって立ち上げられ、運営されてネットワークである。ゆえに、自分たちで自由にネットワークを使って遊ぶことが可能であり、遊ぶ中から新たな知恵やサービスが生まれてくる可能性がある。また、無線ネットワークは一本の線を複数のユーザが共用でき、地域単位で一気にブロードバンドアクセスが可能になる。アプリケーションの1案としては、特定エリア内で通信料金を気にせずに、常時友だちと接続しおしゃべりし放題のサービス(IP電話)も可能である。そういったところがみあこネットのおもしろさではないか。
「情報のデザイン」
東京工芸大学芸術学部デザイン学科 笠尾 敦司 氏
〈はじめに〉
私はコミュニケーションデザイン研究室をやっていて、地域の活性化や企業の中でメディアを使ったコンテンツを作っていくことにも関わっている。
中野区にある鍋横商店街活性化のために始めた「お化けーしょん」について話をさせていただく。
〈まちを知るためのシステム−事例・鍋横商店街におけるでかマップ作り〉
地域をデザインしていくには、住人たちといっしょに地域のよさをどうやって見つけていくかが重要な部分になる。
鍋横商店街で開かれたお祭では、子どもにデジタルカメラを持たせ、写真を撮ってきてもらい、それを大きなマップに貼りだした。それは子どもの視点を記録していることにもなる。
〈お化けーしょん〉
このでかマップをする前にやっていたのが「お化けーしょん」である。今、これは2日間にわたって行われているワークショップとインターネット上でやっている2つがある。
ワークショップでは画像を使ってコミュニケーションをしようとしている。最終的にはいろいろなお化けのシールを用いた絵本を作っている。このシールとなるおばけを知ることで、その地域を知ることができる。
〈画像リンクのータベース、電脳画像細胞〉
画像と画像をくっつけた情報がデータベースとなっているものを作っている。撮った時間と場所さえわかれば、すべてのものがデータになっていて、それが並べられ、リンクされてくることで、気づかなかったことが見えてくる。つまり、これらはインターネットでみんながつながって均一化してくることとは逆の方向である。みんなが使っていろんな部分でおもしろいと思ったものをどんどんつなげていくことで、まちが活性化していく仕掛けとして使えるのではないかと考えている。
みあこネットの『ゴール』設定という問題提起とコンセンサス形成のたたき台についての小笠原さんの話、コミュニティの中に埋もれているコンテンツを取り出すための仕組み作りについての笠尾先生の話の後、みあこネットを今後どのようなものにしていくかという意見交流を行なった。
[参考]
※お化けーション
http://www.dsn.t-kougei.ac.jp/cp/kodomedia/obake/
※電脳画像細胞
http://www.dsn.t-kougei.ac.jp/ibrain/japanese/