「コミュニティのファイナンス」
林 敏彦氏(放送大学)
(はじめに)
皆さん、こんばんは。私は大阪大学に20年間いた。その時、私は阪大でアメリカのキャンパスFMのようなコミュニティFMを作りたいと言い出し、委員会を立ち上げた。実現はできなかったが、かなり盛り上がった。定年前に放送大学に移り、経済政策についての講義を行なっている。
(アメリカ大恐慌の時代と今の日本のデフレ時代)
1920年代のアメリカの経済は隆々たるものだった。だが、1929年ニューヨークの株価大暴落をきっかけに、アメリカでは株価の大暴落が起こった。以後10年間、アメリカの経済は大恐慌となり、その間、ルーズベルトが大統領になり、ニューディール政策が取られた。
1990年にバブルが崩壊してから、日本の不景気は10年以上続いている。今から60年前のアメリカと今の日本との経済の動きを比較すれば、いろいろなことがある。当時のアメリカは今の日本と構造的によく似た少子高齢化の問題がある。政府の大きさだが、当時のアメリカはGNPの5%ぐらい、今の日本は20%に近い。アメリカの当時の経済と物価の動きはだいたい並行して動いているが、今の日本の実質成長率は1%ぐらいである。さらに言えば、日本は成長率が少しよくなる時に物価が下がる。かつて日本は高コスト経済だと言われていたが、産業構造の変換に伴い、だんだん是正されてきているのではないかと思う。
(都市のガバナンス)
普通、都市は地方自治のものであり、住民票を持っている人たちにしか選挙権がない。企業や団体やお寺などでも税金を納めているが、個人にしか投票権はない。また、観光客にとっても京都が観光地として魅力があるかどうかは非常に重要な要素であるが、京都が魅力ある町であるようにとの投票権は行使できない。しかし、住民のみならず、ステークホルダーとしての大勢の人たちの満足度を上げられるかという視点がまちづくりには必要である。
(価値の創造)
インターネットのキーワードはエディティング、価値の創造だと言われるが、デジタル社会に入っていくとある意味、価値はクリエイトされない。バランスの取れた環境でものを考えていかないと、クリエイティブなものは生まれないのではないかと思う。
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