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レポート : 報告 2000年7月24日 エコミュニティ研究会の7月14日分の議事録
掲載日時: 2000-7-24 15:06:00 (118905 アクセス)

1.あなたはいくつの帽子を持っていますか?
 「個業」の時代:個人が複数の社会的役割を持つ時代である。個人が主体となったビジネスがマイクロビジネスである。マイクロビジネス論では、投資家を主体として従来のベンチャービジネス論とは異なり、人間を第一、資本は第二に置いている。

2.エココミュニティとは
 エコミュニティ=エコロジー+コミュニティ+エコノミー
(ギリシャ語では3語とも語源「家系」が共通している―支える単位)
エココミュニティとは、価値の循環であり、そのためのツールがエコマネーである。また、その価値とは、人と人が交流して、生み出されるものを指す。

3.エコマネーについて
(1)国内各地での展開
 地方行政機関が産学官民連携の一環として取り組む事例等が見られる。(北海道栗山町、千葉まちづくりSC、長野駒ヶ根市・飯田市、富山高岡市、滋賀草津市、高知中村市など)
(2)エコマネーの特性としくみ
(特 性)
・環境(市民参加のリサイクル活動や街の清掃活動等)や福祉(介護保険制度の対象とな
 らないサービス等)等のマネーでは対価を表しきれない価値の表現ができる。
・信頼に基づく互酬的交換であり、一定期間経過後、蓄積したエコマネーは振りだしに戻
 る。・マネーとエコマネーの2つの循環で初めてエコミュニティが成立する。
(しくみ)
・コミュニティでエコマネー運営団体(NPO)の設立
・メンバー自由参加
・www上でのサービスの紹介
 サービス提供者、サービス受益者の双方の情報提供。また、ニーズは日々変化するの
 で、ネット利用が適している。
・個々の取引は相対で決定。―ゆらぎの値付け―
 参加メンバーの間で取引を連鎖的に広げる。
・各メンバーの取引はその都度、各自の口座に記録される。
・メンバーに定期的にバランスシートが通知され、各メンバーはバランスシートを見ながら、
 どの程度サービスを提供し、どの程度受けるかを判断する。

 (交換と互酬の違い)

交換 互酬
債権債務 信頼
交換価値 使用価値
市場 相対(ネットワーク)
マネー エコマネー


(質問)バランスシートは債権債務を表すものではないか。
(応答)エコマネーの概念でのバランスシートは個人の活動を表し、整理するためのもの。
(質問)バランスシートのマイナスが嵩んだ場合はどうするのか。
(応答)基本的にはコミュニティの信頼に基づいている。自分がサービスを提供できなくても
家族が提供した分を加算することもできる。エコマネーは使うことに意味があり、貯めることに意味はない。
【信頼の通貨】

 貨幣経済の概念に影響を受け、エコマネーで検討したものがマネーの考え方に移りやすい傾向があり、注意が必要だ。ストックできない通貨体系の経験がないので、常に意識を高めていく活動が必要である。

(質問)促進するための費用やリーダー等の人材育成が必要と思われるが。
(応答)エコマネーの普及の前提にコミュニティ・ネットワークが構築されなければいけない。
エコミュニティにおいては市民企業家が登場し、このまちづくりや人づくりを行う市民企業家がシリコンバレーモデルのようなネットワークを形成することが望まれる。

【お知らせ】
 2000年12月31日〜2001年12月31日の間、インターネット博覧会(インパク=楽網楽座=)が国の主催で開催される。この中のエコライフ・パビリオンでは「エコライフ」の提唱のもと、エコマネーに関する企画がある。

文責:尾澤律子

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