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2001年1月27日 コミュニティ情報共有の技術と未来---オープンソースからオープンプロセスへ---
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レポート : 報告 2000年11月20日 プレ京都研究会 慶應義塾大学教授 國領二郎氏
掲載日時: 2000-11-20 15:17:00 (109070 アクセス)

はじめに、國領先生から最近話題の、Pear to Pear と集中処理につきましてプレゼンテーションをしていただきました。集中処理と分散処理ということでは、個々のエネルギーのあるときは、自律分散型がもてはやされますが、パワーダウンしてくると、ホスト集中型のほうが楽と、このあいだをいったりきたりしているのが現状ということです。

集中処理 分散処理

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昔 ホスト パソコン
今 データセンター、ASP Napster, Gnutella, Groove

また、Gnutella や、Groove(Pear to Pearファイル交換の仕組み、音楽データの交換に使われるケースが多い)というソフトウェアの出現で、特に音楽業界からの反発がマスコミをにぎわしていますが、國領先生からは、著作権の問題よりは、税金の徴収がどうなるかということのほうが大きな問題ではないかという興味深いお話がありました。

情報を配信、流通させることはインターネットにより比較的簡単にできるようになってきましたが、その情報そのものを作りだすことはコピーにくらべてはるかに大変でコストがかかることです。これについてどのようなインセンティブをつけて、経済的な価値をつけるか、新しいビジネスモデルを構築する必要があります。そうしないとサスティナブル(持続可能)になりえないからです。この件で、「佐々木、北山モデル」と「福永モデル」が提示されました。

「佐々木、北山モデル」 オープンソースのLINUXをベースにどのようにビジネスになっていったかを検証


「福永モデル」 情報の受信者からお金を徴収(会費制等)するか、情報の発信者からお金を徴収(広告等)するかというわかりやすい分類で説明

また、参加者の一人NTTの小笠原さんからは、最近やたらと口にされる「コミュニティー」という言葉についてちゃんとした説明をしていただきました。
(議事録がちゃんとしてなくてすんません)
いわく、
「コミュニティ」とは、
1)共通の目的、関心事があること。価値を共有できる言語があること。
2)帰属意識があること。
3)オンライン、オフライン問わず、コミュニケーションがあること。
とのことです。

このような問題提起をもとに参加者同士、活発な意見交換がかわされました。

いくつかのご意見をご紹介します。
1) 「コミュニティ」とは一言でいうと「価値の共有と信頼の構築」といえるのではないか。21世紀に向かいますます重要になってくるだろう。
2) 現在のシリコンバレーの状況は、20世紀初頭のデトロイトの状況に似ている。
当時、数百社をこえるありとあらゆる自動車会社が起業した。
未知の産業である自動車産業で、現在では結局3社に集約されてしまったが、だからといってサスティナブルでなかったわけではなく、巨大産業となった。

3) 「コミュニティ」の形成の過程について、「踊る大走査線」のサイトや(本店サイト、所轄サイト)、お互いの言語がわからなくても、意思(石)疎通ができる「ネット囲碁」を例にして楽しい説明がありました。

意見交換で筆者が興味を引いた話題としては、國領先生から発言されました、「ROMの研究」(ROMとはネットワーク上の電子掲示板などで自分は発言はしないけれどもそのことのなりゆきを見ている人のこと)です。ROMの人が、その話題を口コミでリアルな世界で活用し、どれくらい影響力があるのかという視点です。実証データがなかなか見つからないそうですが、どなたかご存知の方があれば教えてください。

意見交換が佳境に達し、のどが渇いた頃、SCCJ事務局長の浅野さんから突然、会場を居酒屋に移しましょうという提言があり、京都の夜はふけていくのでした。

この続きは、12月1日の研究会で。それでは京都でお会いしましょう。

参考URL : 國領研究室のホームページ
http://www.kbs.keio.ac.jp/kokuryolab/

以上


文責  稲垣 匠

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