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開催レポート 京都研究会2001

京都発 21世紀新しい力の創造
京都研究会 2001 コミュニティベースのIPネットワーク
による智の産業集積と雇用の創出

開催日時:2001年11月30日 13:30〜
会場 :池坊短期大学 洗心館B1F こころホール(京都市下京区四条室町鶏鉾町491)

スピーカー 真野 浩(ルート(株)代表取締役・MIS(株)代表取締役)
       池田 信夫(経済産業研究所上級研究員)
       國領 二郎(慶應義塾大学大学院 経営管理研究科教授)
       北矢 行男(多摩大学経営情報学部 教授・戦略問題研究所長)
       公文 俊平(CANフォーラム会長・国際大学グローバル・コミュニケーションセンター所長)

真野 浩(ルート(株)代表取締役・MIS(株)代表取締役)

「いつでも、どこでも、誰でも」をモットーとし、真のインターネット技術に基づいた世界初の高速移動体インターネットサービスを実現する。マーケットのある所にアクセスポイントという無線基地局を配置し、使用権を売る。そして、認証サーバーを運営する。設備投資するのはアクセスポイントとサーバーのみで、余計なことは一切せず、徹底して「ピュア」で、非常に薄いビジネスセグメンテーションを実現することが目指すところである。この仕組みのおもしろい所は、パソコンを開くとログインなしでインターネットに繋がっているというところ。どこに行こうが繋がっており、かつ低額である。しかも、最近のブロードバンドよりも安く提供するということが可能である。

池田 信夫(経済産業研究所上級研究員)

電波=コモンズに近づけ、サービスと所有を切り離し、誰でも自由に使用可能にする(電波のIP化)。技術的には不可能なことではない。サービスと所有を切り離せば、今の何倍もの効率で電波を使うことができる。その時に空いているデバイスに,端末を変えて互いに通信するという風にすれば、どこでも使うことが可能である。一切のライセンスが不要となるので、将来、ライセンス制度はなくなるのではないか。このような電波の構造改革の問題点は、既得権を持っている人をどう説得するかということである。これはテクノロジーでは割り切れないものである。デジタル放送は破綻する。

國領 二郎(慶應義塾大学大学院 経営管理研究科教授)

ネットワークの創り方は、誰もが構築にまで参加できるシステムへと移行しないといけない。やる人とやらない人との差だけがある。何も起こらなかったら、やらない自分たちが悪い。今まではやりたいことが実現しないのは、偉い人のせいだったのが、これからは自分たちのせいになる。

北矢 行男(多摩大学経営情報学部 教授・戦略問題研究所長)

パラダイムシフトが不足しつつあり、第3次産業革命が起こりつつある。第3次産業革命では、インターネットが基本アーキテクチャである。日本の第3次産業革命は、会社人間の男性が「市民」に戻る一大プロジェクトである。社会の抱えるさまざまな課題を解決することをビジネスの本業に位置づけ、本業を通じて社会貢献し、抜本的な価値を提供し、しかも顧客第一であるソシオカンパニーを目指すことを提案する。志を持った能力の高い人たちが、働く生きがいを充足しながら担っていく。具体例としてはパタゴニアが挙げられる。ソシオビジネスであれ、コミュニティビジネスであれ「戦略の構図」に基づいて組み立てられていないものは、必ず淘汰される。絶えずパラダイムシフトをリードし見据えた上で、卓越したビジネスコンセプトを創り出す必要がある。

公文 俊平(CANフォーラム会長・国際大学グローバル・コミュニケーションセンター所長)

20世紀後半ぐらいから、産業化の第三局面としての第三次産業革命が始まったのと同時に、近代化そのものの第三の局面である「智力」が急速に増進する「情報化」局面も始まっている。それに伴って、軍事力や経済力の増進がみられたこれまでの局面とは性格を異にする「智力の増進」が始まり、これまでの主権国家や産業・企業とは質の違う組織が生まれてきている。既にNGO・NPOという名前が広く使われるようになっているが、私は知的な影響力の獲得と発揮を目指す「智業」と呼んでいる。グローバルな関係の結び方も、それぞれ重点が違ってきている。必要なのは、これまでのような二項対立的なものではないお互いの知的なエンパワメントをみんなが支援し合っていくために、いろいろと力を合わせることだ。

文責:SCCJ事務局

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